ボランティア活動のため愛媛県動物愛護センターに行って来ました。 当センターでは毎月、仔犬の「譲渡会」が行われます。 その譲渡会に参加する仔犬たちがきれいな姿で、かわいがってくれる人にめぐり逢えるように…という願いでシャンプーをする活動をさせてもらってます。 
月に一回だけの活動ですが、かわいい子犬たちと接することが楽しみで続けさせてもらってます。先月シャンプーした仔犬が今月はいなかったりすると“新しい家族にめぐり逢えたんだなぁ^^”と思ったり、逆に“今月もまた逢っちゃったね…”などということも^^; このHPをご覧の方でワンコを探しているようでしたら、一度愛護センターに行ってみてください。 ホントにかわいい仔達ですから!

さて、今回お話しようと思うのはさっきの「譲渡会」に参加できないワン達についてです。 上の写真をご覧ください。 今回、私は一般の方が入れない施設を見学させてもらったのですが、上の写真はこれから“処分”されるワン達の檻です。
当センターにやってくるワンは『この仔は新しい家族とうまくやっていけるか?』という見極めをされて、新しい家族とうまくやっていける仔は「譲渡会」へ。 そうでない仔はこの檻に収容されて“処分”ということになります。 
私がこの檻の前に立った時、怒りでも悲しみでもない何とも言えない感情が湧いてきました。 もとの飼い主が迎えに来たと思ったのか、私に向かって飛びつく仔・「ここから出してくれ」としきりに訴える仔・ただただ怯えて隅っこで震える仔…。 心の中で「ごめんね…」と謝り、彼らの訴えを無にしないためにも『伝えねば』と写真を撮りました。


この仔達のほとんどは、首輪を着けてました。 ということは彼らにはちゃんと家族があったんです。 どんな理由があったにせよ、彼らがここにいていい理由などないはずです。 
当センターでは平成15年度に3,615頭・16年度には4,388頭の犬が“処分”されてます。 猫についてはH15年度で3,784匹・16年度では3,581匹ということだそうです。

“彼らの気持ちを体験したい”とのことで檻の中に同行の見学者が入りました。 (左側の黒い服の人・右はセンターの職員さん)  知らない人が入っても、誰一人として咬み付いたり威嚇したりする仔はいなかったです。 むしろ友好的に近寄って行く仔がほとんどでした。 彼らはこんなに愛を求めているのにどうして“処分”されないといけないのでしょうか? 


センターの職員さんが悪いわけではないです。 ましてや、檻の中の彼らが悪いわけでもないです。 家族の一員である彼らを“いらなくなったから処分してください”とここまで連れて来る人間のモラルの欠如が責められるべきです。
今まで話で聞いたりして知っていた“処分”について、事実を目の当たりにしたことで私は『何とかせねば!』と思い『読んでください』と題して終生飼育を強く訴えます。 
今頃は天国にいるだろう写真のワン達の訴えを無駄にしないために、辛いですが“処分”について事実をありのままに伝えていこうと思っています。


今現在“処分”手段として炭酸ガスによる方法がとられています。 モニター画面を見ながらボタン操作によって、犬達を密閉室に移動させた後ガスを2〜3分間注入します。 炭酸ガスは二酸化炭素ですので、犬達は呼吸困難になり最期を迎えます。 苦痛のないようにとの配慮で炭酸ガスによる手段を採用しているとのことでした。


息を引き取った犬達の遺体は写真の焼却炉で焼かれます。 密閉室から焼却炉までは機械操作によって移動が行われます。 そして焼却にかかる時間は2時間だそうです。

焼却炉の扉です。 ここから出された犬達のお骨は、ゴミとして“処分”されます。 残念ですが、財政上の理由で全ての犬達をお墓に葬ることが出来ないのです。


動物愛護センターでは“処分”だけではなく譲渡会・ふれあい教室・しつけ教室そして負傷動物の保護なども行ってます。 画像はセンター内の診察室です。 ここで負傷した犬・猫を治療します。 去年はここで20頭の犬・24匹の猫が治療を受けました。

譲渡会に参加することになった仔達は上の画像にあるゲージで1週間過ごします。 その間に健康状態・性格などをチェックします。 ちなみに去年は譲渡会で新しい家族に出逢えた犬は118頭・猫は32匹だそうです。 
“処分”についてありのままにお伝えしましたが、もう一度強く終生飼育をお願いします。 言うことを聞かないと犬を責める前に、「ちゃんと教えたのか?」どうかを考えてください。
そして「犬・猫が好きで一緒に暮らしたい」とお思いの方がいらしたら、ぜひ愛護センターの譲渡会に行って見てください。 犬・猫がいる生活はすばらしいですよ^^